新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、京都工芸繊維大の山川勝史准教授(計算流体力学専攻)が構築した、ウイルス飛散による電車内での感染リスク予測のシミュレーションが注目されている。満員電車では座席付近より、立っている人が多いドア付近の方が三倍近くリスクが高まる。新型コロナウイルスについても似た傾向が予測されるという。 シミュレーションは二〇〇九年に大流行した新型インフルエンザの感染ルートを明らかにするため、流行当時の罹患(りかん)率を基に一三年、京浜東北線の一車両をモデルに使って行った。 一車両に二百六十四人(ドア付近百二十人、座席付近百四十四人)が乗る満員電車の中で、ウイルスに感染した患者がマスクをした状態でせきをしたと想定。一回のせきで放出される飛沫(ひまつ)(直径〇・〇〇五~二ミリ)にはウイルス十万個が含まれるが、マスクによって九万個の飛散が防げたとして、残り一万個がどう広がるかを計算