ウォール街を震撼させたと言われる、マイケル・ルイス待望の新作。一読して心底驚いた。 その小説のような文体もあいまって、まるで架空の話のような印象も受ける。だが本書に出てくる、超高速取引（HFT）業者、フロントランニング、ダークプールといった単語を検索すると、全て実在の出来事である証拠が出てきて、現実に引き戻される。 そしてなによりも、投資するほどの資産を持ち合わせていなかったことを心から幸運に思った。 世界第9位の銀行、カナダロイヤル銀行（RBC）のニューヨーク支店に勤務するブラッド・カツヤマは、ある日電子取引の最中にマーケットの妙な動きに気が付く。 取引画面には、ある企業の株式1万株が売り気配22ドルと、確かに表示されていた。だが購入しようとボタンを押した瞬間、その1万株が蜃気楼のように消えてしまうのである。しかも一度のみならず度々再発し、時にはミニ暴落すら引き起こす。それはまるで市場が

大型で強い台風１９号の接近に伴い、京阪神地区の在来線全線の列車が運転を取りやめる１３日午後４時まであと１時間と迫ったＪＲ大阪駅では、各方面の最終電車に乗り遅れまいと足早に改札を通り抜ける人の姿が目立った。 「京都より先、米原方面ご利用のお客さま、１４時５５分発の米原行き快速電車が本日の最終電車となります。ご注意ください！」 改札口の前で男性駅員が拡声器で声を張り上げる。午後４時ごろから全列車がストップするため、午後３時前から各方面の最終電車が次々と出発していく。 大阪府枚方市のパート男性（３４）は「昨今の自然災害の規模を考えると予想外のこともあるので、安全のために運行を取りやめるのは仕方ない」と理解を示すが、大阪市の新聞配達員、中村和樹さん（２５）は「この時間帯に最終電車というのは違和感がある。一斉に全部止めるのは反対。私鉄は動いているのだから、動けるまで動かした方がいい」と否定的だ。 福