舞台は江戸時代。東北の小藩・海坂藩を治める藩主・右京太夫(村上淳)は藩政を疎かにして、愛妾・連子(関めぐみ)に溺れ日々奢侈を重ねている暗君。 連子は右京太夫の寵愛を盾に、財政の建て直しを目的とした倹約令を骨抜きを企てるなど、その恣意的な進言を通じて政治への介入を続け、家臣も民も悪政に苦しめられていた。 諫言を行った老臣に腹を切らせ、貧窮に耐えかねた一揆を起こした農民を武力で弾圧するなど、その言葉ひとつで人命すら奪われてゆく。その悪政を止めるもはや誰もいないかに思われた…。 藩の行く末を案じた近習頭取の兼見三左エ門(豊川悦司)は、能見物を終えた連子を右京太夫や藩士たちの目の前で刺殺する。最愛の妻である睦江(戸田菜穂)を病で亡くした彼の死に場所を求めての行為でもあった。 当然、斬首を覚悟していた三左エ門だったが、中老の津田民部(岸部一徳)の取り成しにより、彼に下された処分は一年間の蟄居閉門と扶