日本のトラディショナルな企業、特に大企業にとって、新たなビジネスを生み出すことは難しい。特に動きの速いIT分野ではなおさらである。これはよく言われることだが、もちろん正しい。実際この分野でイノベーティブな企業と言えば、アップルやグーグルなどの米国企業、それに日本企業の中では楽天を筆頭にしたベンチャー企業がほとんどだ。では、なぜ日本のトラディショナルな企業で新しいことができないのか。 よく理由として挙げられるのは、「組織の壁」とか「硬直化した組織」とかいった話だ。新規事業が既存事業とカニバルため、既存の事業部門が抵抗するとか、組織間の調整に時間がかかるとか、新規事業に必要な人材を事業部門が出そうとしないとか、もっともらしい理由をしたり顔で話す人は多い。その結果、時を逸して、それこそ“爆速”で新たなビジネスを生み出すベンチャー企業などに名を成さしめるというわけだ。 しかし、こうした理由は、現状
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