今回の10分講座では、次世代のプロトコルとしてその普及が注目されているIPv6アドレスについて技術的見地から解説します。 1. インターネットとIPアドレス インターネットに接続している機器には、インターネット内で一意の識別番号(=IPアドレス)がつくのが基本です(NAT等の機器を用いて、一つのIPアドレスを複数の機器で共有することはありえます)。インターネットを介して機器同士が通信をするためには、相手のIPアドレス宛にIPパケットを送ります。このIPアドレスは、現在広く利用されているIPv4(IPバージョン4)で32ビット幅、IPv6では128ビット幅となっています。 そもそもIPv6が開発された大きな理由は、IPv4においてIPアドレスが不足することが予想されたため、それを解決しようとしたことです。IPv4アドレスの絶対数は約43億個であり、インターネットが通信基盤の一つとなって世界中