ロンドン五輪後に男子柔道監督に就任した井上康生氏は、2000年シドニー五輪の金メダリスト。そして現役時代から今まで、日本の「柔道」と国際的スポーツである「JUDO」の違いを身をもって感じている一人でもある。 「そこで井上監督は、日本の柔道界の中だけではなく、世界で勝つために必要だと思われる世界中の格闘技の技法や筋肉トレーニングと、その理論を取り入れていきました」 こう教えてくれたのは、ロンドン五輪直後から井上氏の下でチームの一員となり、総務コーチの任を努めて来た、日本体育大学運動器外傷学研究室の岡田隆准教授だ。 海外選手たちは、母国の伝統的な格闘技や武術をベースに柔道選手となり、オリンピックに出場してくる。今や日本伝統の柔道技だけではなく、多彩な技法が織り込まれているのが国際スポーツの「JUDO」なのだ。 各格闘技からJUDOに応用できる技を抽出して身に付け、対策につなげるというのが井上監