近年、教育界で「方言教育」を見直す動きが盛んだといいます。以前のきょういくじん会議でも触れていますが、方言地図や方言かるたなどを授業や学校生活に取り入れている学校も多く、1日の毎日新聞の記事によると、なんと憲法前文を各地の方言に訳す取り組みも広がりをみせているようです。 方言は、いうまでもなく地域に根ざした独自の言葉。このような取り組みは、方言を学ぶことによって郷土の文化や風習に触れてほしい、という思いから学校が主体となって行っている場合が多いようです。 教育における「方言」 もともと標準語は、明治維新の際に日本が近代国家の仲間入りを果たすために方言を制限し、統一的な言葉でコミュニケーションがとれるようにつくられました。 「標準語」という言葉が初めて公文書に登場したのは1902年(明治35年)。当時の文部省の委員会が標準語の選定を掲げ、翌年の小学校国定教科書制度の公布によって、用語の整理と