パッションとロジックを見事両立させた新参者がJの舞台で躍動している。今季J3に初めて昇格したいわきFCだ。 光るのはその堂々たる戦いぶり。前半戦終了時点で最多勝ち点のみならず、最多得点、最少失点をマークし、首位で折り返した。 強さの源はハイテンポのスモールフットボールにある。各々が絶えず近づいて狭い囲いを維持し、ボールの周辺で数の優位を手にする利点を最大限に生かしながら、攻守の両輪を高速で回すのだ。 しかも、休みがない。試合終了の笛が鳴る瞬間まで切れ目なく走り回る。それが夏場でも変わらないのだから、異例の強度と言っていい。 攻め方も異色。ピッチを広く使うのが攻撃の定跡だが、いわきのそれは電光石火の密集突破だ。縦パスを合図に各々が高密度で連動し、敵の防壁を破壊する。ワンタッチパスを絡めた連係の妙は、各選手の距離が近いからこそ可能な代物だろう。 より狭く、より速く、より前へ。それをやり遂げた先