服を着るというのは、政治的なことである。あらゆる服には、社会における様々な立場が付帯している。そうした社会的な意味をファッションから消し去ることはできない。自分のために、誰かのために服を選ぶことは、何らかの(いくつかの)立場に与すること、(誰かを)与させることであり、この意味において政治的、ポリティカルなのである。だから、アイテムの組み合わせは、様々な立場が参集する「議会」に対応するのかもしれない。コーディネイトは、ネゴシエーション(折衝)である。政治性を着こなすこと。 この連載の第一回では、あらゆるドレスコードへの従属から解放されるという「革命」を、極端な挑発として、語ってみたのだった。これは、実質的には、ファッションの意味を「規範的に」担うのを止めようという誘いであった。現代文明は、徐々に、人の信頼性は外見で判断できないと考えるようになってきた(90年代末からの茶髪の一般化など)。この