ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (3)

  • 書評 「人を動かすルールをつくる」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    人を動かすルールをつくる――行動法学の冒険 作者:ベンヤミン・ファン・ロイ,アダム・ファインみすず書房Amazon 書はヒトがルールに対してどのように反応して行動するかという行動科学的視点にたって法(特に立法政策)を考える試み*1についての一般向けの解説書だ.著者のロイとファインはともに法学者で法と行動科学,法と行動の相互作用を専門としている*2. 法,特に刑事法は人々の行動を変えようとするものでもあり,うまく人々の行動を変えるには,ヒトがルールに対してどのように反応するかは重要な論点のはずだが,実際に法を作っている人々はそのような行動科学のトレーニングは受けていないし,非常に単純な前提しかおいていない.著者たちはそういう立法実務は非効率でり,行動科学を取り入れた法のデザインが重要だと主張している.行動経済学とちょっと似た視点にたっていて,興味深い.原題は「The Behavioral

    書評 「人を動かすルールをつくる」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • 書評 「社会科学の哲学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    社会科学の哲学入門 作者:吉田敬勁草書房Amazon 書は科学哲学の中で特に社会科学の哲学についての入門書だ.私は社会科学についても哲学についてもあまり詳しくはない.そして最近読んだ進化政治学のにおいては著者が実在論にずいぶんコミットしているものの私が理解している科学哲学の実在論とはややニュアンスが異なるような印象もあってややもやもやしていたので,この際勉強しておこうと手に取った一冊になる.著者は科学哲学者で社会科学の哲学を専門とする吉田敬になる. 序章 社会科学の哲学を学ぶとはどういうことか まず書の目的について,社会科学の哲学という分野がどのようなものであり,どのような議論が行われているかを紹介するものだとしている. そこから序章における概念整理がある. 科学哲学の問題領域には論理学(推論の方法は正しいかなど),認識論(知識とは何かなど),形而上学(扱う対象は実在するのかなど),

    書評 「社会科学の哲学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • 書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など

    「社会正義」はいつも正しい: 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン・プラックローズ,ジェームズ・リンゼイ,Helen Pluckrose,James Lindsay早川書房Amazon 書はアメリカのアカデミアで吹き荒れる行き過ぎたポリコレ,アイデンティティ・ポリティクス,社会正義運動,キャンセルカルチャーがどのような思想的な流れの上に発生したものか,代表的な議論はどのようなものか,そしてこれに対抗するにはどうすればいいのかを語るになる.著者たちはこれらの運動の基礎にあるのは1970年代に一世を風靡し,その後その非生産性とシニカルさから衰退していったと思われていたポストモダニズムにあるのだと喝破し,詳しく解説してくれている.著者は第2のソーカル事件(不満スタディーズ事件)の首謀者でもある数学者のジェームズ・リンゼイと評論家のヘレン・プラックローズ.原題

    書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など
    koo-sokzeshky
    koo-sokzeshky 2023/03/01
    ラディカルな左派の解説としてはおかしくないと感じるけど、同時にポストモダンは右派的な「真のリベラル」にも影響大だと思う。つまり左右軸とポストモダン軸が直行する。(本を批判したいのではない、未読なので)
  • 1