新型コロナウイルスに感染し、本来必要な医療や健康観察を受けられないまま自宅で死亡した人の家族が遺族会を発足させた。身内が死に至った経過を知り、情報交換を図る。感染拡大期に関係機関の業務が急増し、感染者の対応が後手に回ったことも背景にあり、会の共同代表を務める高田かおりさん(46)は「多くの救えたはずの命が放置され、失われた。同じ目に遭う人を出してはいけない」と訴える。 コロナに感染した患者について国は当初、「原則入院」を掲げた。しかし、感染者の急増により各地で入院調整が困難となった。家族に感染を広げないために自治体が用意したホテルなどに隔離する宿泊療養、続いて自宅で療養を余儀なくされる人が増えていった。 高田さんは那覇市で自宅療養中に死亡した男性(43)の姉にあたる。男性は大阪府出身で、約10年前に沖縄県に移住。那覇市内に1人で暮らし、個人で居酒屋を営んでいた。 県などによると男性は8月5