高校生の小鳩常悟朗と小佐内ゆきが「互恵関係(ごけいかんけい)」としてコンビを組み、「小市民」を目指そうと奮闘する青春ミステリ。『氷菓』『黒牢城』でおなじみの直木賞作家・米澤穂信の人気シリーズをアニメ化した本作は、岐阜市の美しい美術背景をベースに、印象的な演出や音楽、生々しいお芝居が詰め込まれた野心作だ。神戸守監督へのインタビュー後編では、印象深いシーンやミステリならではの苦労について聞いた。 ――ここからは、とくに印象に残っているシーンについて教えてください。 神戸 いちばん思い入れが強いのは、第1話でメインテーマが流れてからの一連のシーンです。音楽の小畑貴裕さんとは「歌ものを入れたいね」と最初から話していたんですけど、上がってきたデモ曲が本当に素晴らしかったので、第1話はこの曲をメインに組み立てることにしたんです。 ――事件の解決編で歌ものが流れ出すミステリは珍しいですが、そのおかげで青