表紙の絵の可愛さに騙されてはいけません。子どもはもちろん、大人も十分楽しめる本格的なストーリーが詰まっています。そんな太田忠司の人気シリーズからショートショートまで、選んでみました。 太田忠司とは太田忠司は1959年愛知県生まれです。思春期に星新一の作品に触れて以来その世界に魅せられ、大学在学中に『帰郷』で星新一ショートショート・コンテスト優秀作を受賞。以後サラリーマン作家として多くのショートショートを執筆してきました。 1990年『僕の殺人』で専業作家となってからは、長編作品やミステリーにも幅を広げています。 太田忠司の人気作「狩野俊介」シリーズの第1作目『月光亭事件』豊川家の主人寛治から、妻信子が妄信する”導師”の素性を暴いてくれとの依頼をうけた野上探偵。探偵を夢見る狩野俊介少年とともに豊川家を訪ねると、寛治と信子、彼らの娘である春子、夏子、冬子、執事の滝田と、医学生である昭彦、そして