「日本企業はもう自分たちのライバルではない」 ビジネスにおいて韓国が日本をどう見ているのだろうか。エピソードを紹介したい。8年ほど前、サムスン、LGという二大財閥の総帥そうすい自身の口からこんなことを聞いた。 「部下たちは、日本企業はもう自分たちのライバルではないと言います。私はいつもその傲慢ごうまんさを戒めるのです。日本企業は今でも底力がある。10年先を見た技術開発は韓国にないものだと」 これは、日本大使が両財閥幹部を別々に招いた会食でのことだが、はかったように同じ発言があった。二人とも日本での生活経験がある。部下といっても専務・常務を含む重鎮なのであって、「日本企業はもうライバルでない」と感じているのはエリート層の広い範囲に及んでいるのだなと思いつつ話を聞いた。 韓国ビジネスの強さは日本でもよく知られている。積極的な海外展開と現地食い込み。トップダウンの迅速な経営判断。熾烈しれつな社内