1995年3月の国松孝次・警察庁長官(当時)銃撃事件で、現場のマンション敷地内に落ちていた韓国硬貨の付着物が、オウム真理教元信者の男性(37)のDNAと一致したことが、警視庁の鑑定でわかった。 今月30日で殺人未遂の時効成立まで残り1年となる中、同庁は、教団の関与を疑わせる物証が得られたとして、捜査本部の態勢を強化するなど、実行犯の特定に向け捜査を本格化させている。 同庁関係者によると、東京・荒川区の現場マンションの植え込みで銃撃事件の直後に見つかった韓国の10ウォン硬貨について、表面に付着していた人間の皮脂などのDNAを鑑定した結果、教団の「建設省」という部門に所属していた元信者のミトコンドリアDNAと一致したことが判明した。この植え込みの近くに銃撃した実行犯が潜んでいたとみられ、北朝鮮の人民軍バッジも発見されている。 元信者は、教団が94年4~10月に実施したロシアでの「射撃ツアー」を