「男なら泣くな」「女は愛嬌(あいきょう)」。知らず知らず、私たちは「男/女らしさ」を意識する。でも、らしさってなんだろう。追い詰められる性的少数者の人たちや、とらわれる男たちの姿を通して考える。 茶色い短髪、太い眉、つぶらな瞳。写真の中の姿は幼さが残る少年のようだ。 廣田爲佐(ひろたいさ)さん。心は男なのに女の体で生まれた。2012年1月、吐瀉(としゃ)物をのどに詰まらせ、21歳で亡くなった。薬の過剰摂取を繰り返すなど不安定で、最後の日にもブログに「死んでいい」と書いていた。 小5の時、女子児童から「男女(おとこおんな)」といじめられた。03年4月、横浜市にある中高一貫の女子校に入学。自伝「暁の空」(文芸社)によると、セーラー服が届くと母親が言った。「女の子らしくしないと、学校でやっていけなくなるわよ」 「性同一性障害に生まれて」という廣田さんの詩から葛藤の跡がみえる。「自分で自分をおかし
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