新型コロナウイルスの感染拡大は、エンターテインメント界にもかつてない危機をもたらしている。好調だったライブが中止に追い込まれ、テレビ番組の制作は中断、新作映画も公開できない状況が続く。しかし、大手芸能事務所「ホリプロ」の堀義貴社長は電話インタビューに、業界団体のリーダーでもある立場から、厳しい環境にある今こそ「エンタメの意義」を強調する。 (原田晋也) 「カタストロフだ」。堀社長は、エンタメ界が置かれた苦境をこう表現した。演劇など物語の世界で「悲劇的な結末、破局」を意味する用語は、通常「大災害、大変動」と訳す。 政府が大規模なイベントなどの中止や延期を呼び掛けたのは二月二十六日。当初は「今後二週間」と期限付きだったが、日に日に事態は深刻となり、延び続けている。この間、タレントやスタッフは再開を期して準備を続けざるを得ず、一カ月稽古したが開演できなかった舞台もあったという。「経済的にももちろ