決して派手な作品でもなければ、音楽的なトレンドに乗った作品でもない。だが、クァンティックことウィル・ホランドがコロンビア人シンガー、ニディア・ゴンゴラと作り上げた共演作『Almas Conectadas』は、冒険心に溢れた素晴らしい作品である。ラテンとソウルがNYの地で混ざり合い、優美なストリングズを伴いながらヴィンテージな音の世界を描き出すこのアルバムは、20年以上に渡って作品制作に取り組んできたクァンティックにとってひとつの頂点を表すものでもあるだろう。 クァンティックはこれまでにイギリスはブライトンのレーベル、トゥルー・ソウツを拠点にしながら、ヴァラエティー豊かな音楽を創作してきた。ファンクやソウルのふくよかさ、現代のダンスミュージックとしての先鋭性、レゲエ~ダブのディープな味わい。2007年からの数年間はコロンビアに居住し、ニディア・ゴンゴラをパートナーのひとりとしながら彼独自のラ