『絶叫』著者であるミステリー作家・葉真中顕さんと、『シングルマザーの貧困』著者の社会学者・水無田気流さんによる特別対談! 母の呪い、家族のかたち、自由論議……同世代の二人が語りつくす。(構成/山本菜々子 sponsored by 光文社) 母の呪い 水無田 『絶叫』読みました。とても緊張感があるミステリーでしたね。特にオチがすばらしいですね。もう、これは! 葉真中 ありがとうございます! 水無田 『絶叫』は、日本の高度成長期を背景にしたギリシャ悲劇のようですね。物語の中では「母」が大きな役割を果たしていますが、母親との対峙に成功している点でも、大変に珍しい作品です。 日本の小説には、母性に対する幻想が捨て切れなかったり、結局は母性に回収されて終わりという話が多い中で、きちんと母性と対決している。そして、あの結末にいたります。 葉真中 それはまさに核心で、あの結末は書き始めてすぐに決まったん