気に入ったピルケースを探すなど、今は治療にまつわるアイテムも楽しむようにしているという(撮影:後藤武浩) 社会の在り方についても改めて考えさせられた。 「当たり前に過ごすって、すごいことだと思う。例えば会社員の人なら満員電車に乗って、上司もいて、人と自分を比べて……体調が悪くなるのも当たり前。今の社会って、あっさりと簡単に人を見放すじゃないですか。一回輪の外に出てまた中に入るのはすごく勇気がいる。傷ついたことを受け入れる社会になってほしい。きれいなリンゴも傷んだリンゴも、リンゴはリンゴですよね」 「僕が今テーマに掲げているのは『人に優しくする』ということ。その行為には一つも損がないと思うんです。一つ貸しを作ると思えばいい。仮に100人に貸しを作って、10人に返してもらえたら十分じゃないですか」 サカナクションは今月から全国アリーナツアーに出る。しかし、山口のうつ病が完治したわけではない。