――決め手はなんだったと思いますか。 「健三という役を演じるにあたり監督は『もっと疲れてほしい』としょっちゅう言っていて、僕の顔がひどく疲れた人物にピッタリだったんじゃないかと(笑)。このクマがはじめて役に立ちましたよ、というのは冗談ですが、イギリスは人間の内面を突き詰めていくようなダークな芝居が好きで、僕にそういう雰囲気を感じていただけたようです」 「それもありますね。15歳のときから大学までアメリカ留学していた甲斐あって、監督とコミュニケーションをするとき、通訳を通さずに行うことができました。監督は細かいところにこだわりのある人でニュアンスを直接やりとりしたほうが良いですから。弟役の窪塚洋介さんなど日本人キャストの通訳をしたりすることもありました。 もっと余裕があれば、台本の細かい部分も自分の分だけでなく窪塚さんの分までチェックできたんですけれど……。パート2ができたら、そこまでやって