今や「少子化」という言葉を知らない日本人は少ないでしょう。日本でそれほど大きな問題となっている少子化ですが、実は世界的な問題でもあります。それほど知られていないことかもしれませんが、先進国の多くでは、日本と同じように子どもの数が減っているのです。韓国をはじめとして、日本以上に急ピッチで少子化が進んでいる国もあるくらいです。しかし、その根本的な原因はいまだにはっきりとしていません。 少子化の本当の原因についてはさまざまな仮説が挙げられていますが、進化生物学の専門家である総合研究大学院大学学長で先導科学研究科教授の長谷川眞理子氏は、意外な仮説を立てています。少子化の根本的な原因の一つに「避妊技術の進化」があるのではないかというのです。なぜでしょうか。 現代では出産計画は必ずや延長される 世界的に、避妊の考え方や避妊具が普及してきたのは、第二次世界大戦後のことです。それ以前は世界的にも確実な避妊