例えばある集団を改善したいとして,そのとき意見を聞くべきなのはその集団に不満を持っている人だと思うわけですよ。そういう人はその集団の欠点がよく見えている。でもその集団にもっとも不満を感じている人って恐らくその集団から排除されてしまった人だったりするので,そういう人に意見を聞こうとしても,「もう私には関係のない話ですので」となりがち。実際僕は経験があります。結果,それほどその集団に不満を感じていない人たちの意見をもとにその集団を改善しようみたいな話になっていくので,改善は不完全燃焼で終わったりするのだろうと思うのですね。 最近僕の研究分野で「当事者性」についての議論をよく見かけます。一番ホットなのはアクションリサーチですよね。アクションリサーチって要するに現場を改善していくプロセス全体を研究としてみなそうみたいな取り組みで,これを推進しているwhiteheadという人はpractitione