テイラー・コウェンの「ミネルヴァ・モデル」という見解がある。これはヘーゲルの「ミネルヴァの梟は黄昏に飛ぶ」に由来する。簡単にいうと文化の盛衰をみる見解。例えば大きな文化と小さな文化が接触する(大小はとりあえず経済規模で測る)。するとこの「国際貿易」は当初、文化の一時的な繁栄を生む。 ところが繁栄の中にすでに衰退の芽が宿る。「国際貿易」以前に存在した小さな文化のもった独自性、エートスは次第に、大きな文化に気に入られるようなものに「堕落」し「金銭化」されていく。しかしコウェンはこの過程を否定的なものとしてはみない 文化間の接触と、一時的な反映、長期的な小さい文化の衰退(=大きな文化への吸収過程)といったダイナミズムこそ、既存の多くの文化を生み出した過程そのものであり、それを否定するのは間違いだ、という見解だ。 いま書いたコウェンの「ミネルヴァモデル」を例えば日本的なロリコン文化と、海外の嗜好・