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ブックマーク / samuraiblue.jp (16)

  • ザッケローニ監督手記 vol.35「聖地」

    3月5日のキリンチャレンジカップは日本代表にとって昨年11月のベルギー戦以来の試合でした。3カ月近いブランクや、週末の試合を終えて飛行機に飛び乗るような格好で帰国してきた海外組の状態を思うと、それほど多くのことを期待するのは難しいと思っていました。Jリーガーにしてもシーズンの開幕を迎えたばかりでした。結果は日本代表が4―2でニュージーランドに勝ちました。2点を奪われた後半の失速を驚いた方もいたようですが、私には17分までに4ゴールした日の攻撃の方がむしろサプライズでした。インターナショナルレベルの試合では、そうそう起こることではありませんから。それぞれの所属チームで、それぞれのチームのやり方に従ってプレーしている選手たちが、ほとんど準備の時間がない中で見せてくれた息の合ったコンビネーション。私は常々、選手にはチーム全員でゴールに向かう姿勢の大切さや、そういう意図を持ってゲームに入ることの

  • ザッケローニ監督手記 vol.27「東アジアカップ」

    7月20日から28日まで韓国で東アジアカップが開催されます。今回、国際マッチカレンダーで定められた期間ではないことに加え、新シーズンに向けたキャンプが始まっているために、海外のクラブに所属する選手達には声をかけませんでした。代表の試合をするには実は困った時期なのですが、そういうタイミングを逆手にとって「こういう時でないと、なかなか呼べない」選手に今回は声をかけました。23人のうち、代表初招集は7人。「こういう若い選手をもっと早く呼んで欲しかった」という意見もあるようですが、未知の戦力の招集には慎重であれ、というのはどこの国の代表監督も同じだと思います。若い選手はパフォーマンスに波があるものです。一度の失敗で「不合格」の烙印を押され、それでつぶれるようなことがあったら元も子もありません。若手を代表に呼んだり、試合に使ったりするときには可能な限り、及第点を残せるような状態のときに呼んでやりたい

  • ザッケローニ監督手記 vol.23「歯ブラシ」

    みなさん、お元気ですか? 私は冬休みを終えてイタリアから帰ってきました。私はとても元気です。1月30日に成田空港に迎えにきてくれたスタッフ、31日のスタッフ会議で再会した原さん(技術委員長)、協会のスタッフ、記者会見に出席したメディアの人たちの元気な姿をみて、私は嬉しくなりました。今年も一丸となっていい準備をしていきたいと思います。 1月31日には2月6日のラトビア戦の代表メンバーを発表しました。23人中、海外組が15人を占めましたが、これには理由があります。イン・シーズンのヨーロッパと違ってJリーグは春の開幕に向かって準備に入ったところです。チームも選手も初動の段階であり、国際試合を戦える状態にあるJリーガーはほとんどいません。無理に呼んでプレーさせ、ケガをさせるリスクを負うのは愚かです。そういうわけで代表常連組の中村や駒野、栗原、岩政らにも今回は声をかけませんでした。その分おのずと海外

  • ザッケローニ監督手記 vol.22「あけましておめでとうございます」

    新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいいたします。サッカーを愛するすべての人に幸せが訪れますよう祈っています。 さて、2013年を皆さんはどういう年にしたいですか。日本代表監督としての私はチームを大きく飛躍させなければならないと思っています。ワールドカップイヤーの14年は大会まで半年しかなく、そのほとんどは各国とも国内リーグに費やされます。代表の強化に充てられるのは大会直前に限られるでしょう。チームを継続的に、より高いレベルに成長させるために、今年を有効に使っていきたい。コンフェデレーションズカップも含めた今年は大きなポイントになるでしょう。そこで大きなテストもしたい。そんなふうに今から思い定めています。 チームを成長させるその時間は、ワールドカップ出場を早く決めれば決めるほど長く取れることになります。私としては、タフなアウェー戦ではありますが、3月のヨルダン戦でブラ

  • ザッケローニ監督手記 vol.21「コンフェデレーションズカップ」

    12月1日にブラジルのサンパウロで行われた「FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジル2013」のドローに、アジア・チャンピオンの監督として参加してきました。ご存じのように、組み合わせ抽選の結果は日にとって、この上ないものでした。グループAに入った日は6月15日の開幕戦でホスト国のブラジルとぶつかり、19日の第2戦は今年のユーロで2位になったイタリアと対戦、22日のグループリーグ最終戦は北中米カリブ海王者のメキシコと戦うことになりました。どの国もFIFAランキングは日より上位です。ワールドカップ開催国で番の1年前に、プレ・ワールドカップとして開かれる大会に参加できるのですから、芝の状態や気候の違いも含めて当に貴重な経験の場になると思います。 開幕戦を戦うブラジルとは10月にポーランドのヴロツワフで戦ったばかりです。しかし、今回は場所が首都ブラジリアですから、ヴロツワフのときと

  • ザッケローニ監督手記 vol.19「欧州遠征でつかんだもの」

    10月のヨーロッパ遠征はとても有意義なものになりました。結果はご存じのとおり、12日のフランス戦は1―0で勝ち、16日のブラジル戦は0―4で敗れました。勝ったフランス戦は良くて、負けたブラジル戦は悪かった、という単純な思考ではチームを作る仕事はできません。試合の中で何が起き、何ができて、何ができなかったのか。その理由は何なのか。その分析自体は、勝ち負けという“色眼鏡”を外して冷静に行わなければならないのです。もともと、今回のツアーは結果より内容を重視していました。フレンドリーマッチだからこそ、できるトライがあると思っていました。正面切って全力でぶつかることで自分たちのプレーが今の時点でどこまで通用するか見てみたかったのです。 反省点を先に述べるなら、2試合とも気持ちの面で少し問題があったように思います。アウェーのサンドニに乗り込んだフランス戦は試合へのアプローチに消極的な姿を見せてしまいま

  • ザッケローニ監督手記 vol.18「ウソ発見器」

    10月は日サッカーにとって大きな試金石となります。12日にパリでフランス代表と、16日にポーランドのブロツワフでブラジル代表と試合を行います。言うまでもなく、どちらも一級品の相手です。このレベルのチームとの対戦は、私が初采配を振るった2010年10月8日のアルゼンチン戦以来かもしれません。フランスやブラジルのようなハイレベルな相手と戦わない限り、ワールドカップに向けたチーム作りの過程で、浮き彫りにならない課題、得られない情報というのがあるのです。チームも選手も自分たちがどんなポジションにいて、この先、何を伸ばさなければならないか、自分たちはどこまで成長していけるか、じっくり見つめ直す機会になるでしょう。しかも今回は日の外に出ての試合になります。アウェー経験の少ない我々にとっては、このような試合を積み重ねていくことが、今後の成長に向けて必要なことだと思います。 今回対戦するフランスもブラ

  • ザッケローニ監督手記 vol.16「ロンドン五輪」

    この夏、ロンドンの地で日サッカーが素晴らしい成果を上げました。「なでしこジャパン」は五輪で初めてのメダル(銀)を手にし、男子は1968年メキシコ五輪以来のベスト4に進みました。どちらも称賛に値する結果といえるでしょう。 なでしこは昨夏のワールドカップドイツ大会の覇者でしたから、周囲の期待も大きかったし、期待されるだけの実力も備えていると思っていました。ファイナルで米国に敗れはしましたが、メダル獲得は順当という気がします。 日のファンの皆さんを驚かせたのは、むしろ男子ではなかったでしょうか。五輪番では初戦でスペインに1―0で勝つなど1次リーグを首位通過。準々決勝はエジプトに快勝し、2000年シドニー五輪で果たせなかったベスト8の壁を乗り越えました。準決勝で金メダルを獲得したメキシコに敗れましたが、先制していただけにとても残念でした。 関塚監督は招集した選手たちの能力を最大限に引き出す

  • ザッケローニ監督手記 vol.15「日本のホスピタリティー」

    4年に1度、ワールドカップの中間年に欧州最強の代表チームを決める「ユーロ」はスペインの史上初の2連覇で幕を閉じました。我がイタリアは決勝では0-4といいところなく敗れました。とはいえ、今大会のイタリアの躍進には目を見張るものがありました。過去のイタリアとの違いはボール・ポゼッションが高まったことではないでしょうか。それは自分たちの方から積極的に主導権を握って攻めたことを意味します。 私が考えるボール・ポゼッションで、パーセンテージとして特に重要なのは相手陣内でのボール支配です。自陣の後ろの方でだらだらとパスをつないで支配率を上げても意味はありません。 効果的な攻撃を仕掛けるには、やはり「ここ」というときにパスを引き出す走りが必要になります。そのときに「ここでパスが来る」「あそこならパスを受けられる」と思って走るのと、パスが出るのか出ないのか不明確なまま走るのとでは全く違います。確信のある走

  • ザッケローニ監督手記 vol.14「向上とキープのセオリー」

    先日、日本代表監督としての新たな契約を結びました。代表監督という初めての挑戦、異郷の地での暮らしという初めての経験。どちらも有意義な時間を過ごせている私にとって当にうれしいニュースです。私も2014年のワールドカップ・ブラジル大会までは日の指揮を執り続けたいと思っていました。今回の契約はまさに「相思相愛」の所産といえるのではないでしょうか。 6月3日から始まったワールドカップ・ブラジル大会アジア最終予選で日は6月の3連戦を2勝1分けで滑り出すことができました。3日のオマーン戦、8日のヨルダン戦はホームの埼玉スタジアムで戦って3-0、6-0と勝利。12日のオーストラリア戦はアウェイのブリスベンに乗り込んで1-1の引き分け。率直に言って、オーストラリア戦も勝てた、という気がするので決して納得はしていませんが、この3連戦で選手、スタッフが示したチームと勝利に対する献身にはとても満足していま

  • ザッケローニ監督手記 vol.13「日本の特徴を武器に、最終予選へ」

    4月の視察で改めて感じたことですが、ヨーロッパ各国のリーグで活躍する日人選手を見ていると、彼らが何を武器に戦っているかがよく分かります。対峙(たいじ)する相手は自分よりサイズは大きいしパワーもある、アグレッシブでもある。そういうタフな環境に適応するうちに自分たちの特徴により磨きがかかったのでしょう。 ドイツのブンデスリーガは試合の質自体が相当上がっていると感じました。優秀な外国人選手が大量に流入してレベルを押し上げているのだと思います。その外国人選手の中に日人選手が含まれていることを素直に喜んでいいでしょう。日人選手のレベルの高さは今やドイツのみならず、ヨーロッパ中が認め始めています。 日人選手に共通するのは、スピーディーにプレーしながらでも精度が落ちない技術を持っていることです。それがチームにプラスになると監督に重宝がられている。日でしっかりとした技術を身に着けた上でヨーロッパ

  • 日本代表候補トレーニングキャンプメンバー(2012/4/23-25 @千葉) | SAMURAI BLUE サッカー日本代表 | 日本サッカー協会

    スタッフ 監督 アルベルト・ザッケローニ Alberto ZACCHERONI 【(財)日サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】 コーチ ステファノ・アグレスティ Stefano AGRESTI 【(財)日サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】 GKコーチ マウリツィオ・グイード Maurizio GUIDO 【(財)日サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】 フィジカルコーチ エウジェニオ・アルバレッラ Eugenio ALBARELLA 【(財)日サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】 アシスタントコーチ 和田 一郎 ワダ イチロウ WADA Ichiro 【(財)日サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】 選手 Pos. 選手名 (アルファベット表記) 生年月日 身長 体重 所属 国際Aマッチ出場/得点 GK 西川 周作 ニシカワ シュウサク 

  • Vol.11「祝!五輪出場  そしてW杯最終予選」 | ザッケローニ SAMURAI BLUE監督手記 イル ミオ ジャッポーネ“私の日本” | SAMURAI BLUE | 日本サッカー協会

    3月14日、バーレーンとのロンドン五輪アジア最終予選に勝って、U-23(23歳以下)日本代表が5大会連続のオリンピック出場を決めました。東京・国立競技場で喜びを爆発させる関塚隆監督と選手、スタッフ、サポーターの姿を見ながら、私も非常に誇らしい気持ちになりました。この夏、ロンドンに行けるということは今、この時点でも成功といえることですし、将来に目を向けても素晴らしいことだからです。オリンピック世代が強固になるということは少なくとも向こう10年は、日サッカーの足元を明るく照らしてくれることでしょう。 サッカー人生に似ているところがあります。古いもの、昔のやり方に固執しているだけでは十分に生きた、とは言い難い。常に新しい何かを求め、発見し、挑戦するという刺激がないとやがて衰退するものです。そういう意味では5大会連続でオリンピックに出場するというアンダーエージの成功は日の育成組織が機能し、新

  • ザッケローニ監督手記 vol.06「欧州視察とアウェー戦」

    10月上旬、約2週間の日程でヨーロッパを視察して回りました。14日に出て、29日に帰国するまでの間にフランクフルト、シュツットガルト、カールスルーエ、ドルトムントなどドイツの6都市とイタリアのノバーラ、スペインのマドリードを訪ねました。ヨーロッパでプレーする日選手の情報を収集するためです。 日に戻ってきたとき、ほっとした感覚が自分の中にあることに気づきました。皆さんは私がヨーロッパを視察していると聞いて「イタリアにも帰ったんだな」と思われたかもしれませんが、私には「帰る」という言葉がイタリアから日に戻ってきたときの方がしっくりくるように思えました。 日での暮らしは1年を越え、日を拠点にして外に出かけるということが生活のベースとして普通になったことがありますし、仕事が日にあるのでイタリアにいても頭の中に常に日サッカーのことがあるからでしょう。衣服とか日常生活に必要な品々もすべて

  • ザッケローニ監督手記 vol.05「9月」

    ワールドカップ・ブラジル大会アジア3次予選に臨む日の戦いが始まりました。結果は皆さんもご存じの通り、2試合を戦って1勝1分けの勝ち点4。いろいろな意見はあると思いますが、私は悪くない滑り出しだと思っています。 9月の2試合は二つの異なるチームと異なる条件の下で戦いました。共通するのは朝鮮民主主義人民共和国もウズベキスタンも、日が次のステップ(最終予選)に進むためには避けては通れないライバルであり、そんな両チームと早速戦えたということです。 2日に対戦した朝鮮民主主義人民共和国は、場所が日のホーム(埼玉スタジアム)ということで守備的な策を採りました。自陣に多くの人数を割き、しっかりブロックを作った上でコンパクトにまとまって、日にスペースを与えないようにしてきました。徹底的に日の良さを消す作戦でした。それでも日はたくさんのチャンスを作りました。ゴールは試合終了間際の吉田麻也の1点に

  • ザッケローニ監督手記 vol.03「バカンスと日焼け」

    「なでしこジャパン」のワールドカップ優勝と国民栄誉賞の授賞ほど、日サッカーを勇気づけるニュースはないのでしょう。私も大いに励まされましたし、男も頑張らないと、という気にさせられました。この優勝を機に、フル代表もアンダーエージも男子も女子も、すべてのカテゴリーでトロフィーが増えていくことを望んでいます。 実をいうと、直感的に、なでしこジャパンの優勝を予想していた部分があります。それは昨年、アジア大会を見ていたからです。アジアのクイーンに輝いた戦いぶりを見ながら「これは勝てる集団だ」と思ったのです。技術があって、団結力があって、試合にクオリティーもある。サッカー協会の関係者からは「ベスト4に入れば快挙」と聞かされていましたが、私自身は「さらに上にいけるのでは」と思っていました。 佐々木監督は当にいい仕事をしました。選手も素晴らしいプレーの連続でした。そしてもう一つ、強調しておきたいのはJF

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