今週のお題「試験の思い出」。 1998年。本番にめっぽう弱い私はセンター試験が散々な結果に終わり、それでも学費が安い国立大学への進学を諦めるわけにはいかず、悩んだ末にまったく候補に挙がってなかった茨城大学を受験することに決めた。 二次試験の会場になったのは茨城大学の水戸キャンパス。自宅からの距離を考えると前泊が必要になる。普段はものぐさな父が珍しく、甘ったれな私のために仕事を休んで付き添ってくれることになった。東京までは新幹線、上野からは特急に乗り換えて移動する。途中、窓の外には驚くほど広い田んぼが目に入ってきて「この景色をまた眺めることになるかもしれない」と、そんな思いを抱きつつ電車に長く揺られていた。 今振り返ると一つ気になることがある。インターネットが普及していなかった時代に父親はどうやって宿をチョイスしたのだろうか。普通のことではあるが、スマホでちょちょいと予約するのに慣れてしまう