2020年2月10日のブックマーク (1件)

  • メープル通りの白樺荘 - 想像は終わらない

    白樺は、親父にとって特別な木だった。 小さくて狭い実家の裏庭にあった白樺の木。周囲の景色に馴染まないその様子は、四畳半に寝転がるペルシャのようだった。 「サラサラって葉っぱの音を聞いたら、北海道かどっかの避暑地にいるみたいだろ」 窓を開けられる季節が訪れると、親父は決まってそんなことを口にした。 青が褪せて、くたびれた水色に変わった網戸。私はそのライトブルー越しに、すくっと伸びる白樺を見ていた。 風が吹いて葉音がしても避暑地にいるようには思えなかったが、「避暑地=北海道=別荘=金持ち」という刷り込み教育を受けたおかげで、私の中の白樺の地位は、ヒマワリよりも高かった。 幹が虫にわれているのが分かり、安全のために切り倒すことが決まった時、親父はとても寂しそうな顔をした。 命あるものは、いずれ朽ち果てる。 命ないものも、消えてなくなる。 実家に白樺があった頃、指が簡単に入ってしまうブルーハワ

    メープル通りの白樺荘 - 想像は終わらない
    kozikokozirou
    kozikokozirou 2020/02/10
    ブログをご無沙汰してましたぁw 毎日引きこもりの私ですから、これから楽しみに読みますね~(^^♪