シーブリーズを首もとにふりかけた女の子が、あぶらとり紙で頬についた98年を拭き取った。クラスで目立つグループに入っていた生徒は、だいたい「よーじや」を使っていて、1、2年前まで愛用していた白いルーズソックスの代わりに、シュッとしたラルフのハイソックスを履いていた。 売れている音楽を悪だと勘違いしていたあの頃の私は、借りてきたアイデンティティにならって3、4番手がイケてるのだと信じて疑わず、シーブリーズでもギャツビーでもなくGymを選んで、暇さえあればプシュープシューとノズルを押していた。 どうしようもなく息苦しくて、嫌なことばかりだった毎日。それでも笑ったり笑われたり、騙したり騙されたりしながら、窓の外を眺めて6時間目が終わるのを待った。 行ってもいいコンビニと行ってはいけないコンビニを見分けるのがあの頃を生き残るコツで、何も知らないうちは誤って魔窟へと足を踏み入れてしまい、入り口付近を占