数年前の芥川賞候補にもなったとのことで、最初読み始めた時にはこの人に賞を取らせるべきだったのではないかと強く思ったが、後半、女との話が中心になると、いかに最低の男かがこれでもかというほど露悪的に描かれるので、こんな人に芥川賞をやってはいけないと思うようになった。もっとも芥川賞自体がもう相当に馬鹿げているので、この賞自体を廃止したほうがいいとは思うのだが(関係ないがノーベル賞も廃止したほうがいいと思う)。 最低の男とはいっても、描かれる男の幼児性や自己中心性は程度の差はあれどの男にもある程度は当てはまるので、それだけに読んでいてとても不愉快になる。たいへんに笑える小説なのだが(ほんとうに面白い)読み終わって「ああ面白かった」ではなくて、なんともいえない不愉快さが残るのは私が女だからだろうが、男性が読んでも身につまされて辛くなる人は多いと思う。一方で、ほんとうに最低だなあこれよりはマシだなあと