タグ

ブックマーク / blog.szk.cc (4)

  • ローカルという大きな釣り針

    社会学の研究をしていると、たまに「単純に見える出来事も、実態は多様なんです」という何の意味があるのか分からない指摘をするものに出くわすことがある。研究として重要なのは、その多様な現実をいまある見方とは別の見方で切り直すことであって、多様なものを多様なんですと説明するだけでは、なすべき仕事の半分もできていないだろうと思うのだけど。 でも、単純過ぎるものの見方を一度相対化してみることは割と大事だ。二分法でものごとを切って「あれか、これか」と選択を迫られると、その乱暴さゆえに「あれかこれかに賛成か、反対か」くらいの二分法で話が進んでしまうことがよくある。昨年から話題になっている「G型・L型大学」なんていうのがその典型だ。 この件、今売りの『週刊東洋経済』が特集を組んでいて、ウェブ版では提案者の冨山さんのインタビューが出ていることもあって、また「炎上」が再燃しそうな気配。けど、よくよく読んでみると

    ローカルという大きな釣り針
  • 「コンテンツの時代」は来るか〜2014年を振り返る(2)

    2014年は、Lifeでもいくつかキーワードのようなものを提唱してきたのだけど、その中でもトレンドに乗ったワードだったなと思うのが「里山ウェブ」だ。藻谷浩介さんの『里山資主義』に着想を得ているとはいえ、話としてはずいぶん趣が違う。アナーキズムとグローバリゼーションの研究者としての僕は、地域経済が(資主義の原理に抗して)閉じていくという話については相当に興味があるのだけど、里山ウェブについては、もう少し狭い範囲でものごとを考えていた。でも、まさにこれって里山ウェブ化じゃん、と言いたくなるような現象がいくつも起きていて、トレンドの種を掴んだ気がしたのも事実。 話の根としては、IPPS消費と共通だ。ソーシャルメディアの時代とは、コミュニケーション>コンテンツという時代だった。これが曲がり角に来たとき、大きく3つのトレンドシフトが起きるだろうというのが、2014年に僕が考えていたことだ。1つは

    「コンテンツの時代」は来るか〜2014年を振り返る(2)
    kozokaeru
    kozokaeru 2015/02/12
  • しくみの分からないものに、関心はもてない

    選挙のたびに「政治に関心を持とう」「選挙に行こう」というキャンペーンが行われるのが、ウェブにおいても当たり前の風景になった。東日大震災以後の世相全体での政治への関心の高まりや、ネットに慣れ親しんだ世代が壮年期を迎え、社会の担い手としての意識を持つようになったことが背景にあると考えられる。またその表現のあり方も、政策の比較やデータの紹介、識者のコメントや論説など、非常に充実したものになっている。 「ネット選挙」という言葉を、ネットでの選挙活動あるいは投票という狭い意味で捉えず、広く政治と投票への関心を集める活動だと考えるならば、10年前とは比べ物にならないくらい、ネット選挙のありようは豊かになっている。一方で、投票率の上昇や投票する候補者、政党を決定するのに、こうした活動がどの程度寄与しているのかは定かではない。どんな物事も普及、定着するのに時間がかかるものだから、単時点ではなく長期的に考

    しくみの分からないものに、関心はもてない
    kozokaeru
    kozokaeru 2015/02/12
  • なぜ、ポエムで組織はカルト化するのか〜2014年の振り返り(3)

    いつも時代の3年先というか、みんなが気がつく頃には自分の関心は薄れているようなことにアンテナを張って生きているのだけど、今年話題になったものでいうと、いわゆる「ポエム化」の話かなと思う。ブラック労働とポエムの相性がいいというのは、自分的には周知の事実だと思っていたし、だからこそクロ現の企画も受け入れられたのだと思うけれど、それにしてもあらためて映像化されて驚いたという人も多かったのだろうか。 いまの勤め先に入ってから、学生たちの関心もあって、それまで格的に手を付けてはいなかった消費社会研究に取り組むことになったのだけど、そこで見えてきたものの中には、たとえば再魔術化やディズニー化といったショッピングモール論につながる話や、以前の自分の研究とつながる話なんかと並んで、『サブカル・ニッポンの新自由主義』で扱ったサービス労働と若者の自己意識の話の延長になる、「感情労働」などの現代的なサービスの

    なぜ、ポエムで組織はカルト化するのか〜2014年の振り返り(3)
    kozokaeru
    kozokaeru 2015/02/11
    “。ブラック労働とポエムの相性がいいというのは、自分的には周知の事実だと思っていたし”
  • 1