こんばんは、カマキリのオスです。今まさに愛する妻に食いちぎられている最中、これを記述しています。 私には人間の営みがどのようなものであるのかは皆目見当も付きませんが、自分の宿命はわかっています。もちろん、生まれたときからわかっていたわけではありません。つい数分前までは恍惚でした。憧れの女性をようやく自分のものにできたのですから。 思えば彼女はクラスでは目立つ方ではありませんでした。しかし、自らの中に芯のあるような、そんな態度が私の心を惹きつけて離しませんでした。彼女も私もハナカマキリではなく没個性的なオオカマキリですが、私にとって彼女は世界に一人だけの高嶺の花でした。 きっかけは「ハリガネムシ、ついてるよ」でした。陸上部に所属していた彼女は卓越した身体能力で、私に寄生しようと試みていたハリガネムシを殲滅したのでした。きっかけは彼女の単なる善意から。彼女が意図せず作ってくれたそのきっかけを私
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