タグ

増田に関するkruspemilanoのブックマーク (2)

  • 牛頭さんの中学時代

    中学1年の7月のことだった。私が朝学校に行くと、仲良しだった子が近づいてきて唐突にこう言った。「もう、ごずっちと口きけないんだ」 意味が分からなかった。転校でもするのかと尋ねても違うと首を振る。「もう決まったことだから。じゃあ頑張って」 そう言って彼女は去っていった。 彼女の言葉は少なくて詳しい事情はまるで分からなかったが、悪い予感のようなものがあった。これはもしかしてあれじゃないか。どうしようどうしよう。背中を冷たい汗が伝うのを感じていた。教室へ向かう階段を登りながら、もうこのままずっと教室に着かないで欲しいと思った。知るのが怖かったのだ。 教室のドアの前に立った私は蒼白だったと思う。頭の中に色んな想像が駆け巡り、手のひらはじっとりと汗ばんでいた。ひざも少し震えていた。私は意を決して教室のドアを開ける。いつもと変わらない教室。でも私が入った瞬間、少しだけ空気が変わるのが分かった。スタート

    牛頭さんの中学時代
  • 一か月

    3月11日 都内にある会社の、自分の席に座っていた。 自分は就職するまで宮城の沿岸部に住んでいた。 宮城県沖地震は、近いうちに必ず来ると言われ続けていた。 携帯はつながらない。 つけっぱなしになった会社のテレビからは、悲惨な状況が映し出され始めた。 地面にパラパラとゴミが散らばっているのかと思えば、 それらはすべて貨物用のコンテナだった。 燃えながら流されていくものは、段ボールではなく家屋だった。 「映画みたいだな」と、誰かが言った。 見たこともないようなすさまじい映像は、まさに映画のようだったが、 その舞台となっていたのは、自分にとって見覚えのある土地ばかりだった。 台風で午後の授業が中止になった教室のように、 非常事態はどこかワクワクするような、高揚感をもたらすのかもしれない。 集団下校のように外に列をなし歩いて行く大人たち。 家族、あるいは恋人に会うため、帰宅していく人が羨ましかった

    一か月
  • 1