有名な「ソフトウェア開発の定量化手法」(構造計画研究所発行)の第1版の序文で,著者のCaper Jonesは次のように述べている。 科学,工学の発展は物事を定量的に把握することから始まるが,ことソフトウェアに関しては例外である。ソフトウェアが産声をあげた20世紀半ばには,すでに経済学的,工学的な定量化基準が確立していたにもかかわらず,ソフトウェアは独自の世界に閉じ込もり,奇妙な歴史経過をたどってきた。生産性や品質,およびやそれらに影響を及ぼす要因をほとんど測定しないまま,すでに50年が過ぎ去ろうとしている。 Caper Jonesが言う通り,日本でもソフトウエア開発の「定量化」(測定)はこれまでほとんど行われていなかった。だが,ようやく最近になって,「ソフトウエア・エンジニアリング(ソフトウエア工学)」の普及と歩調を合わせるように,ソフトウエア開発の定量化の重要性が認識されつつある。IPA