中部電力は9日、臨時取締役会を開き、菅首相から要請を受けていた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止を受け入れることを決めた。停止期間は、防波壁の設置工事などの津波対策が完了する2〜3年程度になる。 中部電は「首相の停止要請は重く、受け入れは避けがたい」(幹部)として、基本的に受諾する方向で協議していたが、浜岡原発を全面停止した後も管内に電力を安定的に供給できるかどうかを見極めるため、7日の臨時取締役会では結論を持ち越した。 その後、休止中の火力発電所の再稼働に必要な発電燃料のLNG(液化天然ガス)の追加調達にめどが立ち、電力需要がピークを迎える夏場を乗り切れる見通しとなったため、中部電は全面停止を受け入れることになった。