「もう月末だぞ。売上が達成できなかったらどうするんだ?」「できるかできないかではなく、やるんだよ! 分かったか!」――声を荒らげる上司に詰め寄られる場面で、“部下役”の筆者の身体はこわばる。 別の場面では、自分が“上司役”として女性社員を呼び出し、取引先との接待へ参加するよう迫る。先約があるという女性に対し、「彼氏とデート?」「仕事の予定だよ? そういう理解のない男は、将来性がないよ」と心無い言葉を発してしまう。 VR(仮想現実)空間で、こうした体験ができる「セクハラ・パワハラ体験VR」をグリーが開発した。法人向けにコンプライアンス研修のコンテンツとして提供し、直近1年間で約40社から問い合わせがあったという。仕掛け人であるグリーの岩永龍法さん(XR事業開発部 事業開発チーム)に開発の狙い、舞台裏を聞いた。 「あの子、かわいいよね……」 罪悪感で胸がいっぱいに セクハラ・パワハラ体験VRは