前記事「ツイッターでの中傷投稿への法的対応事例-ネット中傷対策」で言及したX氏の別アカウントと思われるX2, X3の投稿内容と、それに対するTwitter社の判断を紹介します。 warbler.hatenablog.com ※X2と X3のアカウント主がX氏であるという確証はまだありません。 この記事は、Twitter社の「ルール違反の判断」についての問題提起が目的です。 【X2の投稿内容】 私に対して多数の中傷投稿がされましたが、代表的な投稿をいくつかピックアップします。全般に主張の論理がかなり飛躍しており、内容も下品で気味が悪かったので、できるだけ相手にしないようにしていました。 2017年 ※これらのツイートをTwitter社に通報しました。 通報した文面も記録してありますが、この中で「このアカウントは凍結処分を別に受けており」の部分は脱字があり、「このアカウント主は凍結処分を…」が
心理学研究は信頼できるのか? 再現可能性の問題を考察する連載の第4回(最終回)は、2015年に公表され、メディア等でも話題となったScience誌に掲載された再現性に関する論文、さらに日本における著者らによるプロジェクトの詳細について伺いました。(編集部) →連載第1回はこちら →連載第2回はこちら →連載第3回はこちら →この連載をPDFや冊子で読みたいかたはこちら Science誌掲載論文の内容とは ――Science誌にセンセーショナルな結果が掲載されたようですが、どのような内容だったのでしょうか。 三浦: 三浦麻子(みうら・あさこ):関西学院大学文学部教授。主要著作・論文に 「オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究」(『社会心理学研究』31(1), 1-12, 2015,共著),「東日本大震災時のネガティブ感情反応表出――大規模データによる検討」(『心理学研究』
心理学研究は信頼できるのか? 再現可能性の問題を考察する連載の第3回は、心理学の研究方法に関する問題点や「問題のある研究実践」(QRPs)の詳細、さらにどのような対応や検討が進められているのかについて伺いました。(編集部) →連載第1回はこちら →連載第2回はこちら 心理学研究の問題点 ――Bem論文自体は否定されたけれども、2010年頃から続いた一連の出来事により、心理学の研究方法に関する問題点が浮き彫りになってきたわけですね。具体的にはどういった問題が明らかになったのでしょうか。 樋口: 樋口匡貴(ひぐち・まさたか):上智大学総合人間科学部准教授。主要著作・論文に「コンドーム購入行動に及ぼす羞恥感情およびその発生因の影響」(『社会心理学研究』25(1), 61-69,2009年,共著),「ビデオフィードバック法によるコンドーム購入トレーニングの効果に関する予備的検討」(『日本エイズ学会
心理学研究は信頼できるのか? 再現可能性の問題を考察する連載の第2回は,「未来予知」に関するBem論文について詳しく伺いました。(編集部) →連載第1回はこちら Bem論文の掲載 ――2010年前後から、心理学研究の信頼性を揺るがすさまざまな出来事が続けて起きていたわけですね。特に2010年のBem論文のインパクトが大きかったようですが、Journal of Personality and Social Psychology(JPSP)誌はなぜこの論文を掲載したのでしょうか。 池田: 池田功毅(いけだ・こうき):中京大学心理学研究科・日本学術振興会特別研究員PD。主要著作・論文にShape and spatial working memory capacities are mostly independent(Frontiers in Psychology, 6, 581, 2015,共著
2015年の8月にScience誌に衝撃的な論文が発表されました。査読付きの主要な学術誌に発表された心理学と社会科学の研究論文100件についてその結果の再現を試みたところ、同じ結果が得られたのは39%にすぎなかったというのです。2010年以降、心理学の中で研究の信頼性に関する問題がクローズアップされています。何が問題となっているのか、またそれに対してどのような対応が進められているのかを、日本でこうした問題に取り組まれている研究者の方々に話を伺いました。 取り組みのきっかけ ――こうした問題に取り組もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。そのときにどう思ったのかも教えてください。 池田功毅(以下、池田): 池田功毅(いけだ・こうき):中京大学心理学研究科・日本学術振興会特別研究員PD。主要著作・論文にShape and spatial working memory capacities
私事によりここ数日は休暇を取り多忙であったため出遅れてのコメントになります。 そのつもりはなかったのですがこちらでの発言に対して匿名での(卑怯な)告発扱いをされたこともあり最近は実名でTwitter(@caripso)での発言だけにしていました。今回こちらに書くのは140文字では収まらないからですが,色々騒がせてしまったこともありこのアカウントはこのエントリで最後にしようかと考えているところです。 私は調査委員会そのものに呼ばれたことはなく,解析も担当していないため発言には制約を受けないと考えますので思うところを述べていきます。以下の発言は組織とは全く関係なく,私一個人の意見です。 調査報告書に示された残存サンプルの解析は情報量も解析内容も膨大かつ詳細で,感嘆せずにはいられませんでした。 関係者の皆様のご苦労をねぎらうとともに感謝を捧げたいと思います。 一方で,調査対象になった著者のうち事
蟻コロニー最適化の概念図 蟻コロニー最適化(ありコロニーさいてきか、Ant Colony Optimization、ACO)とは、Marco Dorigo が 1992年の博士論文で提案したアルゴリズムであり、グラフを使ってよい経路を探すことで単純化できるような計算問題の確率的解法である。これはアリがコロニー(=群れ)から食物までの経路を見つける際の挙動からヒントを得たものである。 概要[編集] 実世界では、アリは始めランダムにうろつき、食物を見つけるとフェロモンの跡を付けながらコロニーへ戻る。他のアリがその経路を見つけると、アリはランダムな彷徨を止めてその跡を辿り始め、食物を見つけると経路を補強しながら戻る。 しかし、時間とともにフェロモンの痕跡は蒸発しはじめ、その吸引力がなくなっていく。その経路が長いほどフェロモンは蒸発しやすい。それに対して、経路が短ければ行進にも時間がかからず、フェ
新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で理化学研究所の調査委員長を務める石井俊輔・理研上席研究員らが執筆した論文に対し、インターネット上で疑義が指摘されていることが24日、分かった。石井氏は同日、産経新聞の取材に対し委員長を辞任する意向を明らかにした。 この論文は乳がんを抑制するタンパク質に関するもので、平成20年に理研などのチームが英学術誌に発表。石井氏が責任著者の一人になっている。遺伝子を調べる実験結果の画像の一部を入れ替えた改竄(かいざん)ではないかとの指摘が出ていた。 石井氏は取材に対し「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」と否定。その上で「疑義を指摘された以上、その部分を突かれると理研や委員会に迷惑をかける。調査委員長がこのような隙を作ってはいけない。不本意だが本日、理研に委員長の職を辞したい旨を伝えた。慰留されても意志は固い」と述べた。石井氏によると学
2014年3月10日 関係各位 山梨大学生命環境学部生命工学科 教 授 若山 照 彦 STAP細胞の論文の問題について 今年1月30日にNature誌に発表したSTAP細胞に関する論文について、現在、多くの問題が指摘されております。私が担当した部分(共著者より提供された細胞からのキメラマウスの作製、及び幹細胞の樹立)については、自信を持って適正に実験がなされたと言い切れますし、共著者の結果についても信頼してきました。 しかし本論文に関して様々な疑問点が指摘されている今日、私はSTAP細胞について科学的真実を知りたいと考えております。そこで私は、先に共著者より提供され、キメラマウスの作製実験に用いたSTAP細胞を所有していますので、この細胞を公的第三者研究機関に提供し、詳細な生化学的分析を依頼する事を決断しました。 分析結果は速やかに公表致します。
理化学研究所などのグループが発表した「STAP細胞」について、共同研究者の山梨大学教授が10日、NHKのインタビューに答え「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在するのか確信がなくなった」として論文の取り下げに同意するようほかの著者に呼びかけたことを明らかにしました。 「STAP細胞」は、神戸市にある理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループが作製に成功したと科学雑誌「ネイチャー」に発表し、新たな万能細胞として注目を集めました。 しかし、そのあと論文に不自然な画像やデータがあると研究者からの指摘が相次ぎ、理化学研究所などが調査を進めています。 これについて、論文の共同著者の1人でSTAP細胞の万能性を調べる重要な実験を担当した若山照彦山梨大学教授が10日、NHKのインタビューに答えました。 この中で若山教授は「信じていた研究のデータに重大な問題が見つかり、ST
ここで紹介する実例は、 第36回日本分子生物学会で開催された 理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」 http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/mbsj_forum.html の、第1セッションと第5セッションで話題提供させて頂いたもので、その時の原稿をUPします。 私はサイエンスライターとして研究不正の調査をしており、このケースもその過程で知りました。最初にお断りしておきますが、私はフリーのライターとして独立して活動しており、大学や企業には所属しておらず、分子生物学会の会員でもありません。こうした利害関係のない立場からこの企画に協力しました。 ある論文不正事件の関係者を匿名でAさんとしてお話します。 Aさんからは、「私は不正の当事者でもありますので、特定の個人や機関に対する批判や断罪などできる立場ではありませんが、自分の経験が皆様のお役に
2013-08-22 芋虫「葉っぱ食べちゃうぞー」 植物「うわー!電気シグナルを伝えて免疫応答しなきゃー!」 科学 蝉コロンリスペクトで柄にもなくこんなタイトルにしてみました。さて以下の論文、自分は植物は門外漢なのですが非常に興味深かったです。解説とかできるレベルではないので面白かったポイントを書きます。突っ込みどころありまくりだと思うので有識者は優しいコメントお願いします。 GLUTAMATE RECEPTOR-LIKE genes mediate leaf-to-leaf wound signalling (Nature, 2013) 害虫による食害と植物免疫葉っぱを虫に食べられると、植物はそれに対抗するために様々な遺伝子を活性化させます。この応答に必須の化学物質がジャスモン酸*1。ジャスモン酸を受け取った植物細胞は免疫に必要な遺伝子の発現をスタートします。 (奈良先端科学技術大学院
わたしたち人類は、化学の方法論が確立して以来、多種多様、膨大な数の分子を見つけ、また新たに合成してきました。この広大な化合物空間に不可能を可能に変える奇跡の組み合わせがいまだ眠っていると考えられています。 遺伝子導入なしにiPS細胞を作る。今まで多くの人が、それは難しいだろうと考えていました。導入する遺伝子を一部だけ代替したり、あるいは作成効率や作成時間を改善したりすることはできても、全部ひっくるめて取りかえる条件はそう簡単には見つからないし、そもそもあるかどうかも分からない、と。 そして、化学物質だけでiPS細胞の作成を達成。そんな、驚愕の成果[1]が公表されました。山中因子4つのいずれも使用せず、したがってウイルスを使うなど遺伝子導入なしに、マウス体細胞からiPS細胞の作成に成功したようです。7種類の化合物を使った場合は効率0.2パーセントであり、効率はさらに10分の1未満に下がるもの
読者の皆さまこんにちは。少し今回の記事はテイストが違うな?とお思いの方も多いでしょう。 アレ待チろまん というブログをご存知でしょうか。生物系の研究者であるぱんつさんが運営しているもので、そのハンドルネームからは想像できない文章力とトピックの面白さで最近大変人気を博しています。かくいう私も最近チェックをし始めた一人です。 今回、ケムステ用に化学に少しよせた記事を特別に寄稿して頂きましたので紹介させていただきたいと思います。 その、トピックは 脳を透明化する です。ではどうぞ。 (以下寄稿記事になります) 先日Natureに「電気泳動で脳を透明化する」という論文が出て大きな話題になりました。実は脳を透明化する手法はこれが初めてではなく、以前から化学処理をすることで脳の透明化を達成化した論文がいくつ報告されています。一目瞭然、上図にあげた、3DISCO, Sca/e、そしてごく最近報告されたC
科学, ぼやぼやその名もScientific Reports サイエンティフィック・レポーツ! もしかして: サイエンティフィック・レポート いいえ、レポーツです。レポーツ! なんかそういうものがあるらしいことはうっすらどこかで見聞きしていたんですけど(PLoS ONEを批判していたのにお前もやるのかよ的な)、それってNature Communicationsのことかと思って、かばかりかと心得て帰りにけり。そんでここんとこアンテナを低くしていたのでレポーツが創刊してたことを昨日初めて知ってびっくりしました。 Scientific Reportsとは、Natureの発行元であるネイチャー・パブリッシング・グループからこのたび創刊されるScientific Reportsは、一次研究論文を扱う、オープンアクセスの電子ジャーナルです。本誌は、自然科学(生物学、化学、物理学、地球科学)のあらゆる領
⇒ 捏造論文リスト(10報分) ⇒ ”論文番号”と”指摘項目番号”の対照表 ⇒ ”論文番号”と”使用された公的研究費”の対照表 ⇒ 文部科学省への告発文書(2011.2.23に文部科学省に到着) ⇒ 名古屋大学への告発文書(2011.2.23に名古屋大学外部窓口の太田勇法律事務所に到着) ⇒ 三重大学への告発文書(2011.2.25に三重大学に到着) ⇒ 三重大学(大学からのお知らせ): 大学教員の研究不正及び懲戒処分について(2013.05.10) ⇒ 不正行為の疑いが指摘された 10 論文に関する認定(三重大学研究行動規範委員会)(2013.05.10) ⇒ 研究不正調査結果を受けて、日本農芸化学会は、青木直人准教授の2005 年農芸化学奨励賞を取り消しました (公益社団法人日本農芸化学会 理事会: 本会会員の研究活動の不正行為に関する審議決定について)(2014.02.19) ・20
科学毎号表紙が好きなCurrent Biologyから。Current Biology - The hearing gene Prestin unites echolocating bats and whales 厳密には「(小型)コウモリ亜目」と「ハクジラ亜目」なのかもしれませんが、ここではコウモリとイルカで通します。こいつらの共通点は、超音波を出してその反響で周囲の物の位置関係を知るエコーロケーション能力を持っていることです。 種の系統樹的には、イルカ(Bottlenose dolphin)はウシやブタに近く、一方のコウモリは当然その辺からはちょっと離れてます。そしてコウモリ内ではエコーロケーションができる小型コウモリと、できないオオコウモリに分けられます。ところが、この論文によりますと、プレスチン遺伝子のみに注目してtreeを書いてみたら小型コウモリとイルカはすごく近い。同じグループ
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