【ビエンチャン=大木聖馬】アジア欧州会議(ASEM)首脳会議に出席している中国の温家宝(ウェンジアバオ)首相は5日、議長国ラオスの他、フランスやイタリア、ブルガリアなど欧州の首脳と意欲的に会談を重ねた。温首相はASEM首脳会議の開会式終了後、野田首相の前を通り過ぎたが、あいさつするそぶりはまったく見せないなど、「日本外し」の構えが顕著だった。 中国外務省によると、温首相はラオスのチュンマリ国家主席との会談で、「お互いの核心的利益に関わる問題で、今後も互いに支持し続ける」ことを呼びかけた。尖閣諸島を巡る日本との対立を念頭に、領有権を主張する中国の立場への理解を求めたと見られる。 温首相はラオスのトンシン首相とも会談し、農業や社会資本整備などでの協力強化も約束するなど、経済面からの取り込みも図った。