問い合わせが多いので、改めて当館の展示作品の1つ『象牙多層球』をご紹介いたします。 象牙彫刻『象牙多層球・天球』 この象牙多層球・天球は、その一つ一つの層が独立して回転する仕組みになっております。 しかも球自体は一切継ぎ目が無く、1本の象牙を外から彫刻して作られています。 この技術は宋代に考案されたと言われ、その後途絶えておりましたが、清の時代に復活いたしました。 製法は象牙を球体に彫り出し 中心に向かって多方向から円錐形の穴をあけ、 穴と穴の間に特殊な小刀を差し込み、中心部の一番小さい球体を作ります。 次に2層目、3層目と、円錐形の穴を手がかりに、内側から外に向かって薄い皮を削っていく様に、各層が回転する球体を作り上げます。 全ての層の重なりが完成したところで、今度は外から各層を回転させながら微細な彫刻を掘り込みます。 層の数は素材の象牙の太さによって決まります。 象牙多層球は、広東省の