四世紀には既に“六十四手”を収めた「カーマスートラ」(愛経)が存在し、また「カーマスートラ」と並びインド三大性典と称される「ラティラハスヤ」(愛秘)、「アナンガランガ」(愛壇)にもあらゆる体位(ラーゲ)を見ることができる。そうした性典・秘戯書は、中国経由でわが国に伝わり、日本独自の性風俗とも結びついていくこととなった。春画にもその例を見るように、一般的に“四十八手”と呼ばれる体位は江戸時代に完成され、「表四十八手」、「色道智恵潤」、「秘戯艶説枕筥」などの指南書が刊行された。体位の基本形は、正常位・屈曲位・伸展位・腰高位・前側位・後側位・前座位・後座位・騎乗位・背後位・背後騎乗位・肘膝付位・立ち肘膝付位・立位・腰吊位などであるが、ここでは日本という風土の中から生まれた“性戯四十八手”とその文学的表現を紹介しよう。 ≪ジェクス商事株式会社「レジャーホテル室内専用・性戯四十八手」より参照≫