小学生のころ、週に一度、書道教室に通っていた。 その書道教室には、2歳年上で3人組の「お姉さん」たちがいた。 今になって思えば僕も彼女たちも同じ小学生だけど、当時の僕にとっては年上の異性で近寄りがたかった。 彼女たちは同じ小学校に通っていて仲が良く、習字の時間でも会話に花を咲かせていた。先生にも時折注意されるほど。 そんな大きな声で話すものだから、離れたところで筆を動かしている僕の耳にも会話の内容が入ってくる。その内容が面白いと、僕は笑いを堪えきれなくて、顔がにやけてしまった。 それを見て彼女たちは、こんな言葉を浴びせてきた。 「なに勝手に盗み聞きしてるの」 「にやけ顔、キモい」 習字の時間が終わったあと、「お姉さん」たちと一緒に、かくれんぼで遊んだことがある。僕が鬼で、彼女たちは隠れる役。書道教室を間借りしている公民館の駐車場で、かくれんぼが始まった。 僕はすぐに、彼女たちの中で一番背が