石川県西田幾多郎記念哲学館(かほく市)は、日本を代表する哲学者の西田幾多郎(1870~1945)の直筆ノートを再現した「幾多郎ノート」を販売している。2015年に東京都内の遺族宅で発見されたノート50冊のうち、京都帝国大(現・京都大)時代の倫理学講義と、「Gedanken(思想・思いの意味のドイツ語)」とタイトルが書かれた2種類だ。 旧宇ノ気村(現・かほく市)出身の西田は母校の旧制四高(現・金沢大)で教壇に立ち、40歳の時に京都帝大文科大学の助教授(当時)に就任。翌年、西洋哲学をかみ砕き、独自の思索をまとめた「善の研究」を発表した。