日立製作所は3月1日、エレベータの輸送力を向上する新技術として、「循環式マルチカーエレベータ」の基本駆動技術を開発したと発表した。通常のエレベータ2基分の昇降路内で多数の乗りかごを循環させて運行する方式で、輸送力を保ったまま昇降路面積を最小化し、ビルのオフィス/住居スペースを広げられるという。 循環式マルチカーエレベータは、上昇専用と下降専用の2つのエレベータ昇降路を、最上階と最下階でつなげてリング状の昇降路を形成する。内部では6〜8台の乗りかごを数珠つなぎにし、外部に設置したモーターを使って観覧車のように循環させる。 乗りかご同士を複数の循環式ワイヤーロープでつなぐことで、それぞれを独立して運行できるようにした。1台の乗りかごが客の乗り降りで停止しても、ほかの乗りかごは影響を受けにくい仕組み。これにより乗りかごの停止頻度を低減、昇降路面積あたりの輸送力を従来の2倍以上に向上できるという