住宅街、風化しかけた「ツナミ」の記憶 高知・中土佐「ツナミ」の文字が刻まれた石碑を調べる松尾裕治さん。「薄れゆく宝永地震の教訓を残そうとしたのでしょう」=高知県中土佐町、赤井陽介撮影 入り江の先に見える町中心部を指さし、「亡所に家や施設が集まっている」と指摘する松尾裕治さん=高知県中土佐町、赤井陽介撮影 地震・津波や風水害、噴火と、さまざまな災害が繰り返されてきた日本列島。先人たちは後世に悲劇を伝えようと、古文書や石碑を残した。だが、「災害の記憶」は歳月とともに風化する。教訓を語り継ぎ、防災に生かしていくことは簡単ではない。 特集「災害大国あすへの備え」 ■「まさかここまで」 【赤井陽介】「下島 亡所(ぼうしょ)」「種崎 一草一木残ナシ 溺死(できし)七百余人死骸海渚ニ漂泊」――。香川大の松尾裕治・特命教授(地域防災)は江戸時代の古文書の墨字に「先人からの訴え」を感じた。 関東から九州地方