震災復興における所得移転と通貨発行益の活用: あるニューケインジアンからの提案 (Very Preliminary. Comments Are Welcome.) 矢野浩一∗ 2011 年 3 月 16 日:初稿 概 要 本論文では東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に際して、被災地の復興支援のための財源をどの ように調達すべきかについての検討するため、(1)所得移転、(2)通貨発行益(シニョレッジ)がどの ようにマクロ経済に影響を及ぼすかについて、(1)流動性制約下の家計を含めたニューケインジアンモ デルと、(2)通貨発行益を考慮に入れたニューケインジアンモデルを用いて考察する。本論文では、こ れら2つのモデルの検討に基づき、(1)まず「通貨発行益を利用する財政政策とインフレーションター ゲット」を併用して実行し、(2)それでも震災復興に不十分であった場合には所得移転を利用する政策 を