福岡県名物「博多ラーメン」に欠かせない、「辛子(からし)高菜」の不足が深刻だ。コンビニ各社がおにぎりの具に採用したことを皮切りに、原料のタカナは全国で需要が急増。特に国産原料の引き合いが強い。旺盛な需要に対し、供給量は他品目への切り替えで漸減。漬物メーカーは「長期的に品不足が続きそうだ」と見通す。(金子祥也) 「当店から高菜が消えました」。福岡市内の人気ラーメン店「博多元気一杯!!」で5月、こんな紙が張り出された。豚骨スープの博多ラーメンに欠かせない辛子高菜は、どの店でも卓上に置く重要なトッピングだ。 同店はこれまで「スープの味を邪魔してしまう」として紅ショウガやこしょうは一切置かず、スープを引き立てる国産の辛子高菜だけを卓上に置いていた。高菜を出せないのは同店にとって、客足に関わりかねない問題だ。 中国産なども試食したが、スープに雑味が出てしまうなどラーメンとの相性が納得できなかった。店