騙される側と騙す側の関係性は複雑 僕らの事業は、他社に二束三文で売却されることになって、皆、転職したり、本社に戻ったり、部署メンバーはみなバラバラになった。で、そのXは、うまく転職していたが、10年くらいあとに逮捕された。仮想空間ゲーム「セカンドライフ」の土地権利の売買に関連した事件だ。 そのときに、当時の部長がFacebookで、まさか彼がそんなことをするなんて信じられない。今でもXとは友達だと書いていた。腰を抜かしそうになった。なぜなら僕ら現場は、彼がそのうち大きな問題を起こすだろうって思っていたから。Xが逮捕されたときは、何人かと連絡を取り合って「やっぱりね」と言い合った。 僕ら現場は、彼の持ってきた大口案件も、某ハリウッドの有名シリーズに彼が関わっていたことも、リュック・ベッソンからの祝辞も全部端から存在しなかったのだと知っている。だが、部長だけがまだそのすべてを信じている。 この
![【連載】速水健朗のこれはニュースではない:リュック・ベッソンからの手紙](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/52ff2c8d8e07267b469674dffade245e13a1b86f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Frealsound.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F06%2F20240608-hayamiz-01.jpg)