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バルセロナはスペインで観光客が最も多い都市なのをご存じだろうか。1992年にバルセロナオリンピックが開催されたのを機に、バルセロナ市が主導して観光都市として発展するために必要なインフラ整備などを行った結果、スペイン随一の観光都市となった。バルセロナが観光都市として発展するのに建築家アントニオ・ガウディの存在は重要な要素となった。たとえば、彼の未完の大作である「サグラダファミリア」だけでも年間320万人もの観光客が訪れている。 そのバルセロナが「観光客削減」に乗り出している。 3月中旬にはアダ・コラウ市長が、「2020年に向けた観光都市計画」を発表。今後は、観光客の宿泊を目的としたマンションの固定資産税を引き上げると同時に、こうしたマンションの新たな認可をやめる考えを明らかにした。また、ベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)への規制も強化し、年間貸し出せる部屋を制限するという。バルセロナ
最近、「若者が子どもをほしがっていない」という民間会社の調査結果が話題となりました。しかし、これだけで、昨今の少子化は「若者の子ども離れ」などと若者の価値観のせいとするのは短絡的です。 そもそも、2021年出生動向基本調査によれば、結婚を希望する18~34歳の独身男女若者に限れば、そのうちの約9割は「子どもがほしい」と回答しています。結婚したいと思う若者は子どもも欲しているのであり、子どもがほしい割合が減っているのだとしたら、それは「結婚を希望していたのに結果できなかった不本意未婚が子どもの希望もなかったことにする」ということではないかと思います。 問題として認識すべきは「結婚をし、子どもも希望している9割がまず結婚できていない」ことのほうであり、その結果として出生数が減少しているという事実です。 若者の婚姻減に影響を及ぼす「お金の問題」 少子化の話題でよく出てくる合計特殊出生率という数字
特集「緊迫 台湾情勢」の他の記事を読む 台湾では5月に民進党の頼清徳新政権が誕生した。しかし、内政はすでに混沌としている。 5月28日に立法院(国会)では多数派を占める野党・国民党と台湾民衆党の賛成多数によって国会改革(権限拡大)法案が通過した。同法案には立法院による調査権や政府機関の人事同意権の強化のほか、総統による立法院での国政報告と質疑応答の定例化、答弁者の回答拒否・反問の禁止、そのほか虚偽答弁などを国会軽視罪とする刑法の新設などを盛り込んでいる。 与党の反対や市民からの抗議が続く 法案について与党・民進党は立法院の権限を不当に拡大して憲法違反の内容も含むなどと主張し、反対した。また同党の支持者を中心に立法院の周辺では市民による抗議デモが行われている。 法案が通過した日には7万人を超える人々が立法院に集まり、台湾各地の主要都市でも数万人がデモを行った。立法院のそばを通る青島東路という
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政府は5月10日、コロナ禍が明けて慢性化している高速道路の渋滞緩和策として、特定の時間帯や区間で料金を変動させるダイナミックロードプライシング(以下:ロードプライシング)を2025年度から全国で拡大する方針を固めた。 読売新聞では、この発表よりも早く、5月6日の朝刊に1面でこのニュースを掲載したため、その後インターネットなどで議論が沸き起こっている。改めてこのニュースを整理しておきたい。 渋滞する時間は高く、空く時間は安く 交通機関や観光施設などは、原則として、あらかじめ決められた運賃や料金でそのサービスを提供するが、需給バランスを取るために季節、曜日、時間などで運賃・料金を変動させる施策を取ることがある。これが変動料金制、いわゆる「ロードプライシング」である。 航空運賃は、かなり以前から購入日によって、あるいは同じ日でも便によって価格が異なるので、「運賃は不変である」という考えはすでに大
5月20日、台湾で頼清徳政権がスタートした。与党・民進党は8年の蔡英文時代を経て、3期12年政権を握ることになった。新総統の就任は1996年の李登輝氏以来、陳水扁氏、馬英九氏、蔡英文氏と続き頼清徳氏が5人目である。 就任演説は今後4年間の台湾の方向性を示すもので、日本、アメリカ、中国を含め国際社会が注目する。今回、中国の統一圧力が強まる中で頼氏が中国との関係をどう語るのかが大きな関心を集めた。 頼氏の就任演説は「一つの中国」も「独立」も触れず、現状維持を明言し、台湾を守る強い決意を示した。頼氏は蔡英文氏の継承者という立場を鮮明にして選挙戦を戦い当選した。したがって、蔡氏の現状維持路線を受け継ぐのは既成方針である。その現状維持とは民主化し、台湾化した中華民国の現状を守っていくことである。統一反対はいわずもがなであるが、独立に進まないことも含意している。 頼氏の演説は現状維持の大枠を継承しつつ
慶應義塾大学の伊藤公平塾長が、3月に文部科学省・中央教育審議会の特別部会で「国公私立大学の設置状態にかかわらず、大学教育の質を上げていくためには、公平な競争環境を整えることが必要。国立・公立大学の家計負担は、年間150万円程度に上げるべき」と提言しました。今回は、日本の大学と学費のあり方について考えてみましょう。 文科省は火消しに回る 4月中旬に伊藤氏の提言がメディアで明らかになると、大きな波紋を呼びました。ほぼ反対一色で、SNSやネット掲示板には次のようなコメントがあふれていました。 「学費の値上げと大学教育の質の向上がどうつながるのか。私立大学と国公立大学が公平な競争をする必要があるのか。ちょっと意味がわからない」 「値上げすると、いよいよ裕福な家庭しか大学に進学できなくなる。努力すれば国公立大学で安く学べるという今の仕組みを変えるのは反対」 文科省の担当者は、早々に「あくまで提案が議
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