高校総体 勝負ではなく、見た人を笑わせることに青春をかけてきた。男子新体操団体は6人制で「陸のシンクロ」とも呼ばれる。「今年は笑いの聖地の大阪開催。やりがいがあります」と鹿児島実の穂満(ほまん)力也主将(3年)。ここ4年は21、17、10、16位。優勝争いには遠いチームが、拍手と爆笑をさらってきた。 演技時間は約3分。宙返りの難度や完成度などを競う。クラシック曲に合わせるのが一般的な中、このチームには「アニソンの鹿実」の異名もある。アニメ番組の主題歌やCMソングなど5曲ほどを短くつなぐのだ。昨年の総体は「伊勢佐木町ブルース」に乗り、なまめかしく尻を振る動きからスタートした。 樋口靖久監督(44)が「邪流(じゃりゅう)」と呼ぶ路線が固まったのは13年前。高校から始める初心者が多く、総体に出ても恥ずかしそうに演技するのが気になった。「素人軍団でも、注目されれば堂々とできるはず」と考え、選んだ道