スマホの普及とともに、私たちの日常に動画撮影が定着してきた。その結果、多くの人々が自分の声を頻繁に聞く機会が増えた。しかし、その声に違和感を感じる人が増えている。 私の声ってこんなに気持ちが悪いの? 米紙「ワシントン・ポスト」がこの現象に焦点を当てている。最近の1,500人を対象とした調査によれば、半数の人々は録音された自分の声を聞くことが精神的な健康に有害であると感じているという。それほどまでに、自分の声に対する認識と実際の声とのギャップに悩む人が多いのだ。 空気伝導と骨伝導 なぜ違和感が生じるのか? 答えは「骨伝導」という現象にある。私たちが普段聞いている自分の声は、実は二つの異なる経路で耳に届いている。ひとつは、外部からの音波が耳の鼓膜を振動させることで聞こえる「空気伝導」、もうひとつは、声を出す際に頭や顎の骨を振動させ、それが直接内耳に伝わる「骨伝導」だ。