ピロリ菌という細菌をご存じでしょうか。人間の胃の中に生息して炎症を引き起こす細菌で、放っておくと胃がんを引き起こしてしまうこともある怖い細菌です。子供がピロリ菌に感染しないようにするためにはどうすればいいか見てみましょう。 ピロリ菌は胃がんをも引き起こす菌 40年ほど前までは、人間の胃の中には細菌が生息できないと考えられていました。人間の胃からは塩酸が分泌されているため、細菌が生き延びられる環境だとは思われていなかったためです。 しかし、1982年にオーストラリアのウォーレンとマーシャルという研究者が、胃の中の塩酸をアルカリ性の物質で中和しながら胃の粘膜に住み着く細菌を発見しました。これがヘリコバクター・ピロリ、俗にピロリ菌と呼ばれるものです。 ピロリ菌は子供が小さなうちに胃の中に入り込み、胃の粘膜部分に住み着きます。何らかの形で粘膜を傷つける作用を持っているため、粘膜に定着して増えてしま